同棲してから彼にドキドキすることがなくなってきた。このまま一緒にいていいのかな？彼と付き合って2年が過ぎた頃私は不意にそんな感情に襲われた。特段不満があるわけでもないのに…。私は隣で映画を見ている母に話しかけた。 ⁡ 「彼と一緒にいてもドキドキしないんだ。」 ⁡ 「あらそうなの？」 ⁡ 「うん。わかってるよ。付き合い始めみたいにはいかないことは。だけどこのまま一緒にいていいのかな？って思ってしまう時があるんだ。大きなケンカをしてるわけでもない。大きな不満があるわけでもないのに。 …なんでだと思う？」 ⁡ 「なんだかあなたこの映画の主人公に似てるわね。」 ⁡ 「え？この船で世界一周してる女の子に？」 ⁡ 「ええこの子もね。世界一周の冒険に出た時は高揚感でドキドキしっぱなしだったのよ。まるで付き合い始めみたいにね。絶対に越えられない大波や嵐も恐れることなくぶつかって乗り越えてきた。あなたたちが何度も何度も大きなケンカを乗り越えて絆を深めたみたいにね。 ⁡ 「そんな彼女が今、世界一周を半ばにして心を壊してしまっている。」 ⁡ 「なんで？」 ⁡ 「風が吹かないのよ。風が吹かないから船は前にも後ろにも進まない。そんな時間が長く続くとね。ネガティブな感情ばかり湧いてくる。」 ⁡ 「このままずっと進まないんじゃないかな？この冒険は失敗だったのかな？冒険なんかするべきじゃなかったのかな？とかね。 ⁡ 付き合うってことは世界一周の大冒険に出るようなものなんだと思うわ。そしてその冒険を成功させるためには大きな嵐が起きた時じゃない。何も起きない時間をどう過ごせるかがきっと大切なのよ。」 ⁡ 「確かに…。私に似てるのかもしれないね。私もさ。不安なんだと思う。一緒にいるのが当たり前になって何も起きないから前に進まないから。」 ⁡ 「でもそれってすごいことだと思わない？」 ⁡ 「すごいこと？こんなに不安なのに？」 ⁡ 「だってそれは随分遠くまで二人で進んできたってことでしょ。」 ⁡ 「たくさんのドキドキを乗り越えてたくさんのケンカを乗り越えて何度ももうダメだと思った。だけどそれでも一緒にいたいと思った。そうやって進んできたことでいつしか一緒にいることが当たり前。お互いが身体の一部になっていた。嵐のような恋愛はする人はたくさんいるけど。凪のような恋愛まで辿り着ける人はほんの一部なのよ。」 ⁡ 世界一周までは後少し。あなたはとても素敵な恋をしている。不安に思うことなんて何もないと思うわ。 ⁡ ⁡ 夜と恋さんの嵐の恋と凪の恋より。ドキドキしなくなっても好きだったら、それこそ本当に純度100%の愛だなと思います。素敵な考え方だなと思ったので共有します。 #カップル#カップルの日常 #恋愛 #失恋 #同棲 #倦怠期#恋愛相談 - @kaichos_225