4月から看護師として働き始めた。 113回看護師国家試験は過去一と言われるほど難しく、多くの人が必修落ち。自分も点数的には不合格。終わったと思った。合格発表までの1ヶ月生きた心地がしなかった。地獄のようだった。大学に4年間通わせてくれた両親には顔も合わせられなかった。毎日泣いて外にも勿論出られない、ご飯も喉を通らなかった。彼氏も家族も私が死ぬんじゃないかと心配して、毎日連絡をくれ、毎日会いにきてくれた。合格発表当日。母と一緒にいた。母との会話はほぼなかった。手の震えが止まらない中携帯を握り締めHPを開いた。自分の番号があった。奇跡だと思った。嘘なんじゃないかと。間違ってるんじゃないかと思い何回も母と確認した。間違ってない、自分の番号だった。母と泣きじゃくりながら抱き合った。母は私よりも泣いていた。すぐさま父、祖父母、姉に電話をした。みんな泣きながら喜んでくれた。「よかった。よく頑張った。おめでとう」そんな言葉をいっぱい貰った。今回以上に地獄を見ることも、気持ちがどん底にまで落ちることももうこの先ないと思った。それから4月になり、看護師として働き始めた。最初の2週間は研修と助手業務。早く看護業務がしたいと思った。 5月になり、とうとう患者を受け持つことになった。患者を受け持つということは命を預かるということ。覚えることも勉強することも多く、だんだん疲労が蓄積していく。自分は国家試験もギリギリで合格した身。周りの同期よりも人一倍努力しないといけないと思った。 5月中旬、仕事中に身体がおかしいと思い、休憩中に熱を測ると39度だった。すぐ帰らされた。疲れ溜まってたんだね。無理してたんだね。副師長さんに言われた。3日間ほど休みを貰った。そこから復帰すると受け持ちは増えていた。そこから1ヶ月、受け持ちは増えていき、当初は定時に上がれていたものの、定時に上がれることは無くなった。遅い日は8時〜20時の12時間病院にいることもあった。そこから家に帰りご飯を作ってお風呂に入り、お弁当を作り、洗濯物をし、そこから勉強。息抜きをできる、休めるような状態では到底なかった。友人に遊びに誘われても、遊べるような体力も精神もなかった。とりあえず人と関わりたくないし、連絡も返さなくなってきた。 6月末。身体に蕁麻疹が出た。夜眠りにつこうとすると病院に行きたくないという気持ちが強くなり、考えるだけで涙が出た。夜になると蕁麻疹も出る。痒さと恐怖で夜は眠れない。朝は4.5時に目が覚めて、そこから眠れない時間が続く。朝になれば蕁麻疹は治っている。でも、ある日蕁麻疹は朝になっても頭からつま先までの全身に出ていて、治っていなかった。さすがにこの状態では仕事ができないと思い、皮膚科に受診した。皮膚科の先生にストレスと疲労だと言われた。他に心当たりもないし、勿論私もそう思う。次の日仕事に行くとみんなに心配される。蕁麻疹出たの？大丈夫？仕事辛かった？その声掛けだけで私は涙が堪えきれなかった。その様子を見た師長さんが面談の機会を設けてくれた。師長さんは働き始めた時と顔付きも違うし、自分でも以前の自分とは違うってわかってるんじゃない？と声をかけてくれた。仕事が辛いことを打ち明けた。心理カウンセラーとのカウンセリングの予約も入れてくれた。カウンセリングの結果鬱と言われた。・一日中気分が落ち込む・勝手に涙がでる・疲れやすい・常に倦怠感、頭痛がある・自分で判断、決断できない・人との関わりが億劫になる・食欲がない・眠れない・外に出られない・なにをしても楽しめない全てが当てはまると言われた。私は今診断書を貰い、休職しています。このまま同じ病院で働き続けるか、転職するか。そもそも看護師を続けるべきか、それとも辞めるべきか。どうすればいいかわからない。ただ、心のどこかに国試を受かった時に泣きながら喜んでくれた家族の顔、地獄のような毎日だったのが合格したことで本当に嬉しかったあの時の気持ち、死ぬ気で頑張ると決めた気持ちが頭をよぎる。 #新卒看護師 #新卒 #看護師 #看護師1年目 #うつ - @genkai376