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「六月二十四日(土) 今日、久しぶりに彼女を思い出した。こんなに簡単に忘れていた。 彼女だけは特別だった。仕方ないほどに運命だった。いつからかわからないほど、彼女に惚れ落ちていた。それなのに僕は忘れていた。 月曜日、僕は学校に行っていたらしい。そこで彼女に酷いことを言った。まるで他人の記憶のように思い出される。本当に酷いことをした。 それなのに彼女はそのあと僕とのLINEに美しいピアノの動画を送ってくれていた。 なんて優しいんだろう。なんて美しい人なんだろう。僕はなんてことをしてしまったんだろう。 返信はできなかった。しちゃいけなかった。 ごめんなさい。」  そこで日記は終わっていた。七月も、八月も、ただただ空白が続くばかりだった。  日記を読み終えて、取り出していたスマホを充電した。最後の日に書かれた動画のことがどうしても思い出せなかった。  充電している間、何もせずじっと当時のことを思い起こした。  高架橋でまなみちゃんがハンカチを拾っていた時、廊下でこっちを覗いていた時、返信を待っていた日々、手を繋いだ夜、呼び出したプール、夕暮れの教室、そして彼女を忘れた月曜の廊下まで。一秒一秒大切に思い起こした。  ちょうどスマホの電源がついた。  暗証番号を三回入力し直して、ようやくLINEを開く。ブーという懐かしい通知音がして、何人かからのLINEが更新された。その中に彼女の名前はない。  渡邉まなみの名前を検索すると、友達の欄に彼女がいた。  アイコンに彼女の後ろ姿が見える。覚えている姿より髪がずっと伸びていて、長い月日が経っていることを知った。  僕はまだ二十一のまま、彼女だけは確かに四年の月日を過ごしている。彼女は二十歳になっている。  しばらく彼女のアイコンをじっと見つめた。  どうしようもない事実がそこに立ちはだかるばかりだった。  トークを開くとやっぱり四年前の日付が歪にその存在を主張した。  見ようと思っていた彼女からの動画にはバツ印が貼られていて、とうの昔に見れなくなっていた。 #高校の頃馬鹿みたいに好きだったあの人から手紙が届いた  #儚い #小説 #雰囲気
「六月二十四日(土) 今日、久しぶりに彼女を思い出した。こんなに簡単に忘れていた。 彼女だけは特別だった。仕方ないほどに運命だった。いつからかわからないほど、彼女に惚れ落ちていた。それなのに僕は忘れていた。 月曜日、僕は学校に行っていたらしい。そこで彼女に酷いことを言った。まるで他人の記憶のように思い出される。本当に酷いことをした。 それなのに彼女はそのあと僕とのLINEに美しいピアノの動画を送ってくれていた。 なんて優しいんだろう。なんて美しい人なんだろう。僕はなんてことをしてしまったんだろう。 返信はできなかった。しちゃいけなかった。 ごめんなさい。」  そこで日記は終わっていた。七月も、八月も、ただただ空白が続くばかりだった。  日記を読み終えて、取り出していたスマホを充電した。最後の日に書かれた動画のことがどうしても思い出せなかった。  充電している間、何もせずじっと当時のことを思い起こした。  高架橋でまなみちゃんがハンカチを拾っていた時、廊下でこっちを覗いていた時、返信を待っていた日々、手を繋いだ夜、呼び出したプール、夕暮れの教室、そして彼女を忘れた月曜の廊下まで。一秒一秒大切に思い起こした。  ちょうどスマホの電源がついた。  暗証番号を三回入力し直して、ようやくLINEを開く。ブーという懐かしい通知音がして、何人かからのLINEが更新された。その中に彼女の名前はない。  渡邉まなみの名前を検索すると、友達の欄に彼女がいた。  アイコンに彼女の後ろ姿が見える。覚えている姿より髪がずっと伸びていて、長い月日が経っていることを知った。  僕はまだ二十一のまま、彼女だけは確かに四年の月日を過ごしている。彼女は二十歳になっている。  しばらく彼女のアイコンをじっと見つめた。  どうしようもない事実がそこに立ちはだかるばかりだった。  トークを開くとやっぱり四年前の日付が歪にその存在を主張した。  見ようと思っていた彼女からの動画にはバツ印が貼られていて、とうの昔に見れなくなっていた。 #高校の頃馬鹿みたいに好きだったあの人から手紙が届いた #儚い #小説 #雰囲気

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